既存畳の修繕について

 畳は藺草(イグサ)で作られた畳表(たたみおもて)と、その外側の畳縁(たたみべり)、中心の芯部分の畳床(たたみどこ)で構成されています。

この畳を構成する材料の中でもっとも劣化しやすいのが畳表で、時間と使用頻度に依りますが色あせたり擦り切れてきたりします。

劣化したままの畳を使い続けてしまうと、触り心地が悪いだけではなく、汚れやホコリなどがたまり虫が発生しやすくなってしまいます。

また、藺草には特徴として湿気を適度に吸収する性質があり、和室を適湿に保ってくれる効果があります。しかし、長年使い続けた畳の藺草は、劣化によってその性質も失われていってしまいます。

 和室を常に清潔で快適な空間にしておくためにも、畳の定期的なメンテナンスは必要不可欠なのです。

畳のメンテナンスについては大きく分けて以下の3種類となります。


①表替え <5,000円~/1畳あたり>

  ・畳床は既存の物を使い、畳表のみを新品に交換する方法です。

   表面の藺草がまったく新しいものになるので、新品のときのような

   畳の香りが広がり、湿気を適度に吸い込んでくれる効果も復活するので、

   和室が快適な空間になります。

   ただし、畳表のみの交換となるので畳床は既存の物をそのまま使う形

   になります。

   
②裏返し <4,000円~/1畳あたり>

  ・新しい畳を使用してから2~3年経つと、畳表本体に日焼けや擦り切れ、

   痛みなどが発生してきます。このときに行われるメンテンナンス方法が、

   裏返しです。裏返しはただ単に畳を裏返すのではありません。畳床から

   一度劣化した畳表を剥がして、裏返してきれいな部分を表にすること

   です。畳表は通常両面使用できるので、裏返して張り替えるだけで、

   まるで新品のような状態になります。通常、裏返しを行う場合は畳床と

   畳表はそのまま交換せずに使いますが、畳縁は劣化していたら新品に

   交換します。なお、裏返しは1枚の畳につき一度だけしかできません。

 

③床調整 <価格要相談>

  ・長く使用していると畳床のへたりや虫食いなどにより痛んでくることが

   あります。特に畳床の材料に稲わらを使用している場合に多く見られ

   ます。畳の上を歩いていると床がふかふかしたような感じを受ける場合は

   要注意です。場合によっては畳本体を新調しなければならない場合も

   あります。

 

 

それぞれの修理内容によって必要となる材料や工賃が異なります。

またそれぞれ修繕に使用する素材や品質によって価格が異なります。